【不動産登記】登記簿と評価証明書で敷地権の割合がちがう場合の登録免許税は?

先日、相続登記の申請書を作っていた際、「登記簿上の敷地権の割合」と「評価証明書上の敷地権の割合」が異なる区分建物がありました。登記簿と評価証明書で敷地権の割合が異なる場合があることを知らなかった私は、評価証明書のみを見て登録免許税を計算しました。すると、補助者さんの計算した額より100円高くなってしまいました。あれ、おかしいな?と思いよく見てみると、敷地権の割合の分子が違っていたのです。100円だけだし、高い方で申請すれば良いのでは?とも思いました。しかし、100円とはいえ、お金を出すのは依頼者の方ですし、次同じことがあった時のためにも法務局に電話で聞いてみました。結論としては評価証明書の敷地権の割合で計算するのが正解とのことでした。

ほんと実務は難しいですね。

【不動産登記】委任状への押印 売主は実印?買主は認印?

売主の委任状には実印での押印が必要で、買主の委任状は認印でもいいのですが、改めて考えるとなんでだっけ、、? 受験生時代は根拠条文を考えずに、売主は自分の不動産がなくなるから重要な印鑑で、買主は不動産を取得するだけなので実印じゃなくていいと覚えていました。根拠となる理由は以下の条文にあります。

 

不動産登記令

代理人の権限を証する情報を記載した書面への記名押印等)
第十八条 委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。
2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。

 第二項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
 

→1項により、司法書士が代理する場合、委任状に記名押印が必要となり、2項により、その委任状に押印した印鑑の証明書(=印鑑証明書)が必要となる。印鑑証明書の添付が必要ということは、印鑑証明書の印影と合う印鑑を押さなければなりません。つまり実印での押印が必要となります。これだけだと共同申請の場合、買主も実印が必要じゃないのか?と思ってしまいます。しかし上記18条の赤字部分に注目。法務省令で定める場合というのが以下の条文。

 

不動産登記規則

   (委任状への記名押印等の特例)

第四十九条 令第十八条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 
 一 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した委任による代理人の権限を証する情報を記載した書面(以下「委任状」という。)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合
 代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合

 

→登記申請人が委任状に署名して、かつ、以下の条文の赤字部分に当てはまらなければ、押印は不要となるみたいです。

 

不動産登記規則

 (申請書に記名押印を要しない場合)

第四十七条 令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
 委任による代理人が申請書に署名した場合
 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。)
 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの
(1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)
(2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
(3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
(4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
(5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)
(6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記
 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの
 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの
 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの
 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人
 
→(イ)(ロ)は所有権の登記名義人の規定のため関係なし。(ハ)(ニ)は所有権以外の登記名義人が識別を提供しない場合の規定のため関係なし。(ホ)は識別が発行される権利者の規定のため関係、、あり。
 
 あれ?押印いるの?そう、押印は必要なんです。問題は実印での押印が必要かどうか。実印での押印が必要かどうかは、印鑑証明書が必要となるかどうかで決まります。ここでもう一度不動産登記令18条2項を見てみます。
 
2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。
 
→こちらにも例外規定がありましたね。法務省令で定める場合というのが不動産登記規則49条2項。
 
不動産登記規則
第四十九条
 
 令第十八条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。
 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した委任状について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の委任状に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合
 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合
 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に記名押印した場合
 
前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合というのが以下48条の赤字部分。
 
不動産登記規則
(申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合)
第四十八条 令第十六条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。
 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合
 申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。)
 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。)
 
→またまた他の条文の援用です。前条である不動産登記規則47条は先ほども登場しましたが、もう一度載せます。
 

不動産登記規則

第四十七条 
 
 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。)
 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの
(1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)
(2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
(3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
(4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
(5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)
(6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記
 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの
 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの
 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの
 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人
 
→不動産の買主は(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に該当しないし、(ホ)には該当します。よって印鑑証明書の提供は不要=実印じゃなくてもいいということになります。
 
長くなりましたが以上が根拠条文です。実務においては根拠条文が大切になってきますので、しっかり押さえておきましょう。

【商業登記】登記委任状への押印は実印?

結論、必要でした。商業登記法24条7項にしっかり書いてますね。

 

商業登記法

(申請の却下)
第二十四条 登記官は、次の各号のいずれかに掲げる事由がある場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。一 申請に係る当事者の営業所の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
二 申請が登記すべき事項以外の事項の登記を目的とするとき。
三 申請に係る登記がその登記所において既に登記されているとき。
四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
五 第二十一条第三項に規定する場合において、当該申請に係る登記をすることにより同項の登記の申請書のうち他の申請書に係る登記をすることができなくなるとき。
六 申請書がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
七 第二十条の規定による印鑑の提出がないとき、又は申請書、委任による代理人の権限を証する書面若しくは第三十条第二項若しくは第三十一条第二項に規定する譲渡人の承諾書に押された印鑑が第二十条の規定により提出された印鑑と異なるとき。
八 申請書に必要な書面(第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。)を添付しないとき。
九 申請書又はその添付書面(第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。以下同じ。)の記載又は記録が申請書の添付書面又は登記簿の記載又は記録と合致しないとき。
十 登記すべき事項につき無効又は取消しの原因があるとき。
十一 申請につき経由すべき登記所を経由しないとき。
十二 同時にすべき他の登記の申請を同時にしないとき。
十三 申請が第二十七条の規定により登記することができない商号の登記を目的とするとき。
十四 申請が法令の規定により使用を禁止された商号の登記を目的とするとき。
十五 商号の登記を抹消されている会社が商号の登記をしないで他の登記を申請したとき。
十六 登録免許税を納付しないとき。

 

ちなみに7項に書いてある20条とは印鑑の提出に関する条文です。

 

(印鑑の提出)
第二十条 登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、その印鑑を登記所に提出しなければならない。改印したときも、同様とする。
2 前項の規定は、委任による代理人によつて登記の申請をする場合には、委任をした者又はその代表者について適用する。
3 前二項の規定は、会社の支店の所在地においてする登記の申請については、適用しない。

 

つまり我々が代理で登記申請する際には、代理の権限を証する書面(=委任状)に押された印鑑が、登記所に届け出た印鑑(=法人実印)と異なっていると登記申請が却下になってしまう。つまり委任状には法人実印を押さなければならないと。

 

こうやってちゃんと根拠を押さえておかないと、ふと聞かれた時に答えられないんですよね。どこに実印が必要で、どこは認印でもいいか。しっかり把握しておかなければ。ただ、法律上は実印でなくてもいい箇所でも、我々のリスク回避として実印もらう箇所もありますよね、、実務は難しい、、

【不動産登記】印鑑証明書の期限日はいつ?

不動産登記において、委任状に押印した実印の印鑑証明書は、取得した日から3か月以内のものでなければならない(不動産登記令18Ⅲ)。試験勉強でももちろん学んだ重要な知識です。6月15日に取得した印鑑証明書の期限は9月15日までですよね。では9月15日にオンライン申請をした場合、期限はもちろんOKですが、添付書類を郵送で提出することにより法務局に印鑑証明書が到着するのが16日になるのはOKなんでしょうか。結論を言えばOKでした。15日までが期限で15日に受付されているのだから、提出が16日になっても問題ないだろうと考えはしたのですが、やはりやったことのないことは万が一を考えて怖くなってしまいますね。

【商業】社員総会議事録・理事会議事録に必要な押印

社員総会議事録と理事会議事録には、通常1番最後のページに記名し、その横に出席者の印鑑をついてもらうと思います。社員総会議事録の場合、そもそも法律上押印義務はないので押印しなくてもいいのですが、実際は議長と出席役員に押印してもらうようです(他の事務所ではどうか知りませんが)。また理事会議事録には出席した理事及び監事の押印が義務付けられています[一般法人法95条3項]。法律で義務付けられている場合はやる事が分かりやすくていいですよね。しかし法律で義務付けられているということはイコール他の法律家全員がやるということ(それができなければ法律家ではない)。だからこそ、それ以外の部分で周りと差をつけないと、差別化が図れないのでしょうね。社員総会議事録の場合、押印義務がない以上何もしなくても法律違反ではないのでしょうが、議事録の成立の真正を担保する意味で議長と出席役員に押印してもらっています。これも一種の差別化となっているのでしょうか。それとも業界では当たり前のことすぎて、差別化にはなってないんですかね。

【再生】個人再生の手続きに戸籍は不要?

個人再生の手続きの際に必要な公的書類は住民票だけなのでしょうか。必要書類一覧図を見ると、破産手続きだと住民票と戸籍の両方が必要ですが、個人再生だと必要なのは住民票だけになっています。ただ、勤務先の事務員の方に聞くと、戸籍も提出しているとのことだし、ネットで検索してみても個人再生には戸籍が必要と書いてあることがあります。どっちなんでしょうか。まあ個人再生と一口に言っても、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続きがあります。私は小規模個人再生の方しか申立てしたことがないので(実務でも小規模個人再生が圧倒的に多いと聞きました)、もしかしたら給与所得者等再生の方だと必要なのかもしれませんね。もうすぐ個人再生の申立てをする予定なので、実験がてら戸籍なしで提出してみましょうかね。

【商業】管轄外本店移転の印鑑届

管轄外本店移転の際に提出する印鑑届書は1通?2通?

1通でいいみたいです。研修で2通いるって習った(気がした)からてっきり2通いるのかと思いきや、2通いるのは本店移転と同時に代表者を変更した場合であって、そうじゃない場合は新本店所在地用に1通でいいと。よくよく考えれば旧本店所在地に印鑑届書出してどうするねんって話ですね…研修で習ったからって思考放棄しちゃだめですねほんと。ちなみに新本店所在地用に出す印鑑届書は、上3分の1だけ書けばよく、届出人や委任状の部分の記載は要らないらしいです。あくまで旧所在地で登録されている印鑑を新所在地に送るためだけにつけるから、だそうです。